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進化と病気をひも解く
生命のストレス応答

生命はどのように始まり、
どのように進化してきたのか?

この問いは、自然科学を超えて人類が抱き続けてきた根源的な謎です。地球誕生以来、酸素や二酸化炭素の変動は、「酸化ストレス」「低酸素」「pH変動」として生命を揺さぶり続けてきました。私たちは、こうした逆境こそが生命の姿を形づくり、多様性と進化を導いてきたのだと考えています。

酸素の出現は生命にとって最大の危機であり、同時に最大のチャンスでした。有害な活性酸素種(ROS)を生み出す“毒”でありながら、効率的なエネルギー獲得を可能にする“力”でもあったからです。生命はミトコンドリアを獲得することで酸素を効率的に利用し、新しい代謝戦略を手にしました。ここに、危機を進化の原動力へと変えてきた生命の力が示されています。

現代の生き物もまた、酸素やROS、pHの変動といった「見えないストレス」に絶えずさらされています。それらは老化や疾患の引き金となる一方で、発生や進化を方向づける推進力としても働きます。つまりストレスは、生命を脅かす要因であると同時に、新しい可能性を開く鍵となっています。

私たちは、この「ストレスの二面性」を解き明かすために、「見えないストレス」を可視化する技術の開発、生体に備わるストレス感知・応答機構の解明、がんの根源的理解、哺乳類進化、さらには地球上の有機物創成の謎に至るまで、学問分野の垣根を超えて研究を展開しています。その先には、まだ教科書に描かれていない生命科学の領域が広がっています。このように、当研究室では化学と生物学を融合させ、ストレスを逆境ではなく可能性として捉える研究が日々展開されています。新しい科学が生まれる瞬間を、自らの手で切り拓ける―そんな知的な興奮が、この研究室には満ちています。

当研究室は京都大学 工学部理工化学科 先端化学コース(学部)、および京都大学 大学院工学研究科 合成・生物化学専攻(修士課程・博士後期課程)に所属しています。研究室見学は随時受け付けていますので、興味を持たれた方は高橋までお気軽にご連絡ください。

教授 高橋 重成

お問い合わせ

(担当:高橋)

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